主流は”出来合い”のシステムを購入

​​何か新しいシステムを構築する時、独自で開発するか、それとも”出来合い”のものを購入するか、議論になるところです。
おそらく最近の流れでは、「餅は餅屋」じゃないですが、システム開発のプロ集団が作った”出来合い”のシステムを購入するのが、主流になっているのではないでしょうか。
すぐに使い始められる上、開発に関わる初期費用は抑えられますし、OSなどのバージョンアップ対応にも手を煩わされることが無くなるからです。
でも、”出来合い”(市販システム)のものですので、会社独自のニーズには対応しきれていない場合が多々あります。
そこを重視するかどうかで、新規開発するか、市販システムを購入するかで意見が分かれます。
その場合、システムを使って行う業務が、会社のコアコンピタンスになるのかどうかが、判断基準の一つになると思います。
コアコンピタンスでない業務なら市販システムを購入

​コアコンピタンスになる業務であれば、独自に開発
をした方がいいでしょう。
もちろん、市販システムで理想的なものがあれば、それを購入しても構いませんが、バージョンアップでいきなり仕様が変わったり、最悪の場合、販売中止になる恐れもあります。
逆にコアコンピタンスでない場合は、多少の使いにくさや機能不足には目をつぶることも必要です。
多少の使いにくさは、”慣れ”でカバーできます。
独自に開発しても、全員のニーズを叶えることは、ほぼ不可能ですし、そもそも本当に「使いにくい」と感じている人はどれくらいいるのか、というのも疑わしいところです。
独自開発の場合は、業務内容やシステム規模によって、どのように開発していくかなどを一概に言うことはできませんが、市販システムの購入に際しては、いくつかの検討ポイントがあります。
市販システム購入の際のポイントは「シェア」

市販システムを購入する際、事前にいくつかのシステムを比較すると思いますが、その検討項目として上げた方が良いのは、主に次の5つです。
  1. 機能(どんなことができるか)
  2. 性能(例:処理速度、登録件数など)
  3. 費用(初期費用、保守費用など)
  4. 販売・導入実績、シェア(国内外でどれくらい売れているか)
  5. 開発会社・販売会社の将来性(システムを安定的に供給し続けることができるか)

​使いやすいシステム(機能、性能)を、安く(費用)、長く(将来性)使い続けられるか、
ということですが、この中で重視すべき項目は、私は「シェア」だと思っています。
特に、そのシステムで作成したデータを、頻繁に他社とやりとりする場合、「皆と一緒のもの」(シェアが高いもの)を使わないと、やり取りが面倒なことになります。
つまり「デファクトスタンダード」を選ぶということです。
仮に、ものすごく安くて、機能も豊富で、使いやすい文書作成ソフト(ワープロソフト)があっても、現状ではやはりMicrosoft社のWordなどを選択するところが多いでしょう。
文書作成ソフトには、データ交換用の共通フォーマット(RTFなど)が用意されていますが、ソフトが異なれば正確に再現できるとは限りません。
もし、自社内だけで使うのであれば、「皆と一緒のもの」に拘る必要はないですが、「シェアが高い」ということは、それだけ使われている理由があるわけで、おそらく機能・性能・価格なども、それなりに満足できるものであるはずです。
シェアが高いシステムは無くならない?

また、システムは導入したら、長く使っていきたいものです。
そういう意味では、シェアが高いシステムは、仮に開発会社などが買収や吸収合併されたりしても、そのシステムだけは、どこかの会社が引き継いで、提供され続ける可能性が大きくなります(買収の目的は、そのシステムが欲しいということもあったりするわけです)。

例えば、Lotus社が開発した「Lotus Notes/Domino」は、Lotus社がIBM社に買収された後でも、IBM社から提供され続けています。
また(システムではありませんが)、「ThinkPad」というノートPCは、IBM社が製造を中止しても、Lenovo社が引き継いで製造・販売しています。
一方、前述の検討項目に「開発会社・販売会社の将来性」とあげましたが、これは一つの目安にすぎません。
IBM社とMicrosoft社が共同開発したPC用OS「OS/2」は(発売当初はかなり大々的な宣伝もしていましたが)、シェアを拡大できなかったため、2002年にバージョンアップが打ち切られています。

​確かに、いわゆる大きな会社の方が、安定的にシステムを提供できる体力はあるかもしれませんが、シェアが低ければ、撤退もありえるという一例です。
システムを選ぶ時には、マイノリティにならない方が得策です。
【教訓】「シェアが高い」ことのメリット
数は正義
  • 他社とのデータ交換がスムーズ。
  • 機能・性能・価格において、大きなハズレはない。
  • 長く使い続けられる可能性が高い。